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【2025年9月27日】60分以上の部 未発表作品『優しいらしい。僕は、』

  • nantokaff
  • 18 分前
  • 読了時間: 2分

今年の60分以上の部は、山崎立樹監督の未発表作品『優しいらしい。僕は、』が上映されました。


大学の自己分析の課題として日記を書くことになった学生たちの中で、一人だけ書けない男がいた。“自分らしさ”が分からない瑛太(山崎立樹)は、取りあえず、自分に熱い眼差しを送る下級生ミク(二階堂未来)と付き合ってみることにするが、「思ってたのと違う」とあっさりフラれてしまう。そのことを日記に書いてゴミ箱に捨てたせいで、同級生のかなる(松沢萌)からは自殺と間違われて、殴られる始末。ただ一人、良(我妻直弥)だけは、優しい奴だと言ってくれるが、一体本当の僕ってなんなの?

純粋で繊細な学生たちの日々をダイナミックに描いた青春群像劇で、特に他人に合わせて自分を装う瑛太を、複数の俳優が演じ分けることで、多重人格的な瑛太のペルソナを見事に視覚化した山崎監督の演出センスに驚かされます。スライムから鳥まで瑛太なのです。


上映終了後のトークショーに、山崎立樹監督と良役の我妻直弥さんと課題を出した先生役の西山真来さんが登壇。インタビューは大野ひろみさんが担当しました。

山崎監督「中高時代に演劇部に所属していて、同じ公演を後日違うメンバーが演じるだけで、全く違うキャラクターになってしまうのが面白くて、それを一つの作品の中でできたらなと思ったのが、映画作りのきっかけです。撮影期間も2020年末から初めて、すぐに緊急事態宣言になってしまい、いったん撮了したんですが、23年に河川敷のシーンを追撮して、去年完成しました。自作の戯曲が上演されないかなるの背景には、緊急事態宣言で完成がおぼつかない自分自身が投影されていて、海外留学とかも含めて初稿にはなかった設定が付け加えられています」

我妻「脚本上では僕は、山崎君演じる瑛太としかほぼ会わないのですが、映画を見ると僕の知らない瑛太が一杯いる。これは脚本だけでは全く分からなかったですね。だから実に新鮮な映画体験でした。良役は自分自身をフラットに投影した役なので、自然に演じることができました」

西山「撮影はたった1日でしたが、大勢の瑛太に会いました。小さい女の子もいました。何しろ色彩豊かないろんなキャラクターが次から次と登場するので、その対応だけで精一杯でした。でもものすごく面白かったです」

トークショーの後はフォトセッションをもって60分以上の部が終了しました。

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