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【レポート】古き良き映画館があった大宮駅前を偲ぶ!「大宮武蔵野館ふたたび」レポート


レポート by なんたまサポーター 森田三枝子

写真 by 映画祭公式カメラマン 江頭幸宏


この日はよく晴れていましたが、風の強い日でした。大宮銀座通りの歩行者天国でDJブースを設置し、さまざまな映画にまつわる曲をかけて映画祭を盛り上げます。音楽って、いいですね!



映画の上映会場は大宮駅東口を出てすぐの、まるまるひがしにほん2階。「大宮武蔵野館ふたたび」は名作「地獄門」(1953年衣笠貞之助監督作品)を見つつ、1970年に取り壊された大宮武蔵野館という映画館をしのぶ企画。「地獄門」といえば、1950年黒澤明監督作品の「羅生門」と間違えられがち。両作品とも、ヒロインが京マチ子だし…。「地獄門」は第7回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。源平合戦の時代、人妻に恋をした武士の物語です。名画座が少なくなる中、名作をスクリーンで見るチャンスは少ないので、貴重な経験でした。


映画上映に先立ち、郷土史研究家の宮内正勝先生のインタビュー映像が上映されたのですが、これが凄かった。普通、郷土史研究家といえば、生真面目な研究肌の学者さんを想像しますよね。宮内先生はそんな想像を軽く超えたキャラクターでした。その衝撃は、以前テレ東で放送していた「浅草橋ヤング洋品店」で城南電機の宮路社長を知った時を彷彿とさせるものでした。「新しいスター、来た!」と、喜びに震えました。先生の人柄がよく分かる編集も秀逸だと思いました。



インタビューでは宮内先生の熱い語りが炸裂。「日本初の職業漫画家である北沢楽天先生の家のすぐそばに、僕は若い頃住んでたの!楽天先生の旧宅が、大宮武蔵野館になったの。大宮武蔵野館があった場所は、いまの大宮高島屋ね!」夢中になるとどんどんテンションがあがり、オーバーアクションになり持っていたペンを取り落とす宮内先生。それをはにかみながら拾う宮内先生。資料を取り落としそうになって「あああああああ!」とシャウトする宮内先生。なんてピュア&チャーミング…。ほんと、初日の藤井龍二先生といい、どこからこういう人材を発掘してくるんだろうかこの映画祭は。会場は、宮内先生を見守るような、不思議とほっこり温かい笑いに包まれました。


インタビュアーは、あらい太朗さん。NACK5のアロハ太郎さんの別人格の方ですね。映画の話、大宮武蔵野館の話、あっちこっちに飛ぶ宮内先生の話を、かみ砕いて整理してまとめながらインタビューを続ける姿に「職人だ…ナイスプレー」とひそかに賛辞をおくりました。



最後に宮内先生の語ってくれたエピソードが素敵でした。「あの頃は、市川雷蔵を見なきゃ今日が終わらない、映画館はいつも誰かしら知り合いに会える社交場だった。上映が終わって場内が明るくなると、よぉ、来てたんだ、なんていう会話があったものでした。学校からも家庭からも自由になれる場所が、映画館でした。大宮武蔵野館は、青春バンザイみたいな感じですかね!」宮内先生の解説、また見たいです。ぜひシリーズ化を。


最後はSAITAMAなんとか映画祭会長の栗原俊明さんのご挨拶。「来年も精一杯準備して、面白いものにしていきたい。ご期待ください」第三回も楽しみです。